猫の歯のケアにおいて、ほとんどの飼い主は、愛猫が食事をしなくなったり、口臭が気になりはじめたりするまで、問題に気づかないことが多いです。研究によると、3歳以上の猫の大多数がすでに何らかの歯科疾患を抱えているとされています。それにもかかわらず、定期的な猫の歯磨きは、猫の健康管理の中で最も軽視されがちな項目のひとつです。
猫の歯のトラブルが気づかれにくい理由
猫は不快感を隠すのが得意な動物です。口元を気にして鳴いたり前足でかいたりする犬とは異なり、歯が痛い猫は食べる量をそっと減らしたり、片側だけで噛んだりすることが多く、忙しい日々の中では見逃してしまいがちです。
猫の歯のケアが後回しになってしまうもうひとつの理由は、「ドライフードが歯を磨いてくれる」という思い込みです。確かにカリカリとした食感が歯の表面の歯石をある程度減らしてくれることはありますが、歯周病のほとんどが始まる歯茎のきわに溜まるプラークを防ぐことはできません。
また、そもそも「猫の歯の健康には積極的なケアが必要だ」と教わっていない飼い主も多くいます。子猫を迎えた際の一般的なアドバイスにはあまり含まれていないため、すっかり意識から外れてしまうのです。
歯科疾患のサインをチェック
口臭は最もわかりやすいサインですが、それだけではありません。よだれが増える、歯茎が赤くなったり腫れたりする、歯に茶色い歯石が溜まっている(特に見えにくい奥歯)といった症状にも注目しましょう。
行動の変化も重要なサインです。急にドライフードよりウェットフードを好むようになった、食事中にフードをぽろぽろと落とす、顔まわりを触られるのを嫌がる、といった様子が見られる場合は、口の痛みが原因かもしれません。
症状が進むと、歯のぐらつき、歯茎からの出血、さらには顔の腫れが現れることもあります。放置すると、口内の細菌が血流に乗って心臓・腎臓・肝臓にまで影響を及ぼす可能性があるため、早期発見がとても重要です。
自宅でできる猫の歯磨きの方法
猫の歯磨きは難しそうに思えますが、根気よく続ければ無理なく習慣にすることができます。まずは、ペット用の酵素配合歯磨き粉を少量指につけて舐めさせることから始め、数日かけてブラシに慣れさせましょう。
やわらかい毛の指サックブラシや小型の猫用歯ブラシを使い、歯茎のきわに対して45度の角度で当てます。プラークが最も溜まりやすい歯の外側の面を重点的にケアしてください。歯磨きは長時間行う必要はなく、週に数回、30秒ほどのケアでも目に見えた効果が得られます。
ワンポイントアドバイス:人間用の歯磨き粉は絶対に使わないでください。フッ素や発泡剤が含まれており、飲み込んだ場合に猫にとって毒性があります。必ずペット専用に開発された歯磨き粉をお選びください。
どうしてもブラシを嫌がる猫には、デンタルワイプ(歯磨きシート)や飲み水に加えるウォーターアディティブが第二の手段として役立ちます。ブラッシングの代わりにはなりませんが、ケアとケアの間の細菌の増殖を抑えるのに効果的です。
猫の口腔ケアをサポートするアイテム
歯ブラシ以外にも、猫の歯のケアルーティンを補うアイテムがいくつかあります。猫用のデンタルトリーツやデンタルチュウは、噛む動作によって歯の表面の軽い歯石を削り落とす効果が期待できます。
酵素配合のオーラルリンスやウォーターアディティブは、ブラッシングなしで口内の細菌を抑えるのに役立ちます。顔まわりを触られるのが苦手な猫には特に便利なアイテムです。
猫の口腔ケアをサポートするアイテムをはじめ、総合的な健康維持に役立つ幅広い商品を猫用ショップでご覧いただけます。寄生虫対策から口腔ケアまで、予防的なケアに必要なアイテムをまとめてそろえることで、日々の管理がぐっと楽になります。
シンプルな予防ルーティンをつくろう
猫の歯のケアで大切なのは、完璧を目指すことではなく、継続することです。週に2〜3回の歯磨きを目標に、歯磨きをしない日はデンタルトリーツで補い、月に一度は猫の口の中を目視でチェックする習慣をつけましょう。
歯のケアは、すでに実践している他の予防習慣と組み合わせると続けやすくなります。たとえば、毎月のノミ・フィラリア予防薬を投与する日を、歯と歯茎のチェックをする日として活用するのがおすすめです。ルーティンをスムーズに続けるための猫用予防ケアアイテムも、ショップでまとめてご購入いただけます。
最後に歯磨きをした日付、食事の様子の変化、歯茎の状態などを、スマートフォンのメモなどに簡単に記録しておきましょう。こうした記録は、獣医師に相談が必要になった際にとても役に立ちます。
よくあるご質問
猫の歯磨きは何歳から始めればいいですか?
早ければ早いほど理想的です。子猫は生後数カ月という早い時期から歯磨きに慣れさせることができます。幼いうちから口を触る習慣をつけておくと、成猫になってからもケアがずっとしやすくなります。
猫の歯科疾患は治せますか?
最も初期の段階である歯肉炎であれば、継続的なケアとプラーク除去によって改善できることが多いです。ただし、歯周炎や骨の損失が生じる段階まで進行してしまうと、そのダメージは元に戻りません。だからこそ、予防と早期対応がとても重要なのです。
プロによる歯のクリーニングが必要かどうか、どうやって判断すればよいですか?
歯石が大量に溜まっている、口臭が続く、歯茎が赤くなったり出血したりしている、歯がぐらついているといった症状が見られる場合は、麻酔下での歯科クリーニングが必要になることがあります。症状の程度は獣医師が判断し、適切な対処法を提案してくれます。
歯のトラブルが気づかないうちに進行しないよう、今日から自宅でのケアを始めてみましょう。寄生虫予防から健康維持のアイテムまで、愛猫に必要なものをすべて猫用ショップでまとめてそろえることができます。愛猫の口腔ケアについて不安なことがあれば、獣医師に相談して個別のアドバイスをもらいましょう。
